カナダと日本 テストの違い
前回の記事でもお話しした通り、1学期の終わりが近づき、テストのシーズンとなりました。
とは言っても日本のようにテスト期間がある訳ではなく、どんな種類のテストを何回、どの時期にやるのかは各先生に任されています。
今回はテストで感じた日本とカナダの違いです。
記述式の問題の多さ
私は今まで理科と社会のテストを受けてきましたが、そのどちらも選択式の問題とライティング式の問題で成り立っていました。
理科のテストの選択問題とライティング問題の割合は日本での定期テストと同じくらいだったのですが、
社会のテストではライティング問題の比重が約70%と圧倒的に重い!!
問題は、
「貧困の連鎖について説明しなさい。」
「人口増加のデメリットとメリットについて説明しなさい。」
など、漠然としたものが多く、分かることをひたすら書いていくような問題でした。
最後の問題は15点満点のエッセイで紙いっぱいに英文をひたすら書きました。
こう説明すると、「なんて大変なテストなんだろう…」と思われるかもしれませんが、
「用語を覚える」という勉強はほとんどしなくてもよいので楽でした。
さらに、将来実際に役立つ知識はこのような知識だろうなと思いました。
ただ用語を知っているだけではなく、
何かある用語が出てきたときにそれがどういう意味なのか、それに関係することは何なのか、
そのような事を知っている人が『教養がある人』ととらえられるのではないでしょうか。
赤シートで勉強しない
学生の強い味方! 赤シート!
…と思いきや、カナダの学生が使っているところを未だかつて見たことがありません。
確かに赤シートは用語を覚えるときに利用するもの。
前述したようなテストを受けているカナダの学生には必要のないものなのでしょう。
マークシート
もちろんテストには選択式の問題もあります。
しかし、そこにも日本とは違うことが!
それはマークシートを使って回答すること。
これは先生たちにとって大きな助けになるのではないでしょうか。
いくら選択式の問題とはいえ、何人もの生徒の回答を採点するのはたくさんの時間と労力が必要です。
それが全て機械でできるのですから、先生たちも時間を節約できます。
とてもいいシステムだと思いました。
採点時間が○○!
私が驚いたのは、テストの採点時間がとても短いことです。
日本では定期テストが返却されるのはテスト実施日から早くても1週間後、遅いと3週間後のこともありました。
しかしカナダでは次の授業、つまり2日後にはテストが返却されます。
まず一つ目の理由は前述したようなマークシートを使っているという事だと思います。
その他の理由としては、先生がテストの時期を自由に調整できることで、一斉にたくさんのテストを採点する必要がない点があげられるでしょう。
さらにテストの採点基準も先生に一任されているのも大きいと思います。
日本では先生が何回も会議をして、採点基準をそろえようと必死に頑張っています。
それは公平さという面では非常に嬉しいのですが、先生の負担は大きいでしょう。
以上のような理由を考えると、カナダの先生が採点をとても早く終わらせるのも納得です。
カナダの先生たちを見ていると、日本の先生は頑張りすぎなのではないかなと感じます。
制限時間がない!
もちろん全く制限時間がない訳ではありません。
しかし、テストにおいて「はい、終了! 後ろから解答用紙を集めて!」
などという日本でよくあるような先生の声は聞いたことがありません。
まず、生徒は問題を解き終えて簡単な見直しをしたら、テストを先生に提出して終了します。
たとえ、それが制限時間前であったとしてもです。
その後は、静かに自習をして友達が終わるのを待ったり、または教室から出て帰ってしまったり…!
そもそも一般的に、決められている制限時間は多くの生徒が必要とする所要時間よりとても長いです。
ほとんどの場合、制限時間は授業時間が終わるまで。
最後の授業がテストだった時は、放課後も少し残ってやっても良いと言われました。
つまり、制限時間は仕方がないから定められているだけで、日本での多くのテストのように時間の配分を考えて問題を解く力を養うためにあるのではありません。
正直に言って、これは留学生としてとてもありがたいです。
留学生だと、英文を読むスピードが圧倒的にネイティブよりも遅いのです。
制限時間がないことで安心して問題を解き、実力を発揮することができます。
受け入れてもらう側になって初めて気づいたことでした。