バンクルーバーでインクルーシブ教育が一般的になるまで ~1970年代からの急速な変化~
今日、カナダ、バンクーバーは多様性を認め、マイノリティの人々を受け入れる社会として有名です。
例えば、街を少し歩いてみると分かるように、世界中の様々なバックグラウンドを持つ人々がバンクーバーにはいます。
またLGBTQ+のコミュニティやレインボーパレードが有名なように、バンクーバーではゲイやレズビアンのカップルなどもよく見かけると思います。
多様性はカナダの代名詞と言ってもいいほど、意識されているのではないのでしょうか。
ただ、そんなカナダも最初からそんな「良い国」だった訳ではありません。
今回は、バンクーバーでの障がい者教育がどのように変化してきたのかに焦点を当ててみたいと思います。
どのようにしてインクルーシブ教育がバンクーバーに広がっていったのでしょうか。
インクルーシブ教育の歴史
1970年代のバンクーバーでは、まだインクルーシブ教育は全く取り入れられていませんでした。
今の日本の教育のように、障がいを持った生徒は他の生徒とは違う学校に通っていたそうです。
しかし、そのような現状に疑問をあげたのが障がいを持った生徒の親だったそうです。
どうして、障がいを持つ生徒は「普通の」学校に入れないのか。
障がいがあっても、「普通の」家から一番近い学校に、他の子供たちと同じように通う権利がある。
そう考え、学校側に働きかけていったそうです。
結果、1980年ごろから障がいを持つ生徒も他の子供たちと同じ学校に通うようになり、インクルーシブ教育が本格的に広くバンクーバーで始まりました。
そして現在、小学校では特別学級はなく、全ての生徒が障がいの有無にかかわらず同じ教室で学んでいるそうです。
ただ、どんなインクルーシブ教育がどの程度行われているのかは、学校や学区によって違います。
例えば、僕の通う高校では特別学級がありますが、その中でも希望する生徒は体育や芸術などの科目を他の生徒と同じようにとることができます。
それに対して、他の高校では障がい者に対する授業が全て特別学級で行われているところもあるようです。
カナダでのインクルーシブ教育と言ってもその内容に差があることは確かでしょう。
ただ僕が言えることは、たった50年前にはなかったインクルーシブ教育が今はバンクーバーで当たり前になりました。
急速に変化したと言えるのではないでしょうか。