「Mx.Nuteと呼んでください。」 Mxとは⁉
カナダではマイノリティ、特にLGBTQ+についての考え方が日本よりも圧倒的に進んでいると感じます。
そもそもカナダという国が様々なマイノリティで成り立っているという事があると思います。
夏にはプライドパレードというLGBTQ+に関するパレードがあり、とても盛り上がっていました。
今回は特にLGBTQ+に対する意識が高いなと感じる出来事があったので紹介したいと思います。
Mx.Nuteと呼んでください。
カナダの学校では先生が休み、代わりの先生が来ることが度々あります。
今回の出来事もプログラミングの授業で代わりの先生が来た時の事です。
初めは自己紹介。そこで言われたのが冒頭の言葉です。
「Mx.Nuteと呼んでください。」
その先生は"Mx"という敬称について説明してくれました。
曰く、男女の性別を限定しないような呼び方だそうです。
自分が女でも男でもないと感じていたり、そのような2つの性別に分けられて欲しくないと感じている人が自分を呼ぶときに"Mx"を使ってほしいと考えることがあるようです。
確かに、英語の不便なところは主な敬称や代名詞が男女で別れてしまっていることでしょう。
その中で、このように新しい呼び方が出てくるのも自然なことだと思います。
ちなみに一番最初にこの敬称が使われた記録が残っているのは1977年に発行されたアメリカの雑誌だそうですが、多くの人に使われて認識されるようになったのはここ数年の事だそうです。
"they"は三人称複数⁉
他にも英語という言語がLGBTQ+の人に配慮して、改良されてきた例はあります。
例えば、"they"という代名詞ですが、多くの人はこれを三人称複数の代名詞として習ったと思います。
確かにそれも間違いではないのですが、近年では"they"は三人称単数の代名詞としても使われます。
LGBTQ+に対する配慮を含めて、"he"や"she"という代名詞で性別を限定してしまう事が失礼になってしまうこともあるのだと思います。
実際にオックスフォード英英辞典にも以下のように書いてあります。
used instead of he or she to refer to a person whose sex is not mentioned or not known
他にも英語が変わってきた例
日本の学生は英語を学習する際に昔に書かれた英文で勉強することが多いと思います。
そのような学習方法の弊害は差別的な英語をそうとは知らずに覚えてしまうことです。
例えば「人々」という日本語に対応する英語として男性の複数形である”men”を使うことは近年女性差別にあたるとされています。
しかしながら、昔の英語では人々という意味で”men”という言葉がよく使われているので、何の疑いも持たず使ってしまう学生がいます。
女性差別という意識を持っているわけではないのでしょうが、そのような英語は自分の無知を晒しているだけです。
しっかりと英語の授業で教えてあげてほしいです。
まとめ
さて、少し話はそれましたが、LGBTQ+に対するカナダの意識の高さを感じていただけましたでしょうか。
”she”や”he”、または“they”など何と呼んでほしいのかを最初の自己紹介の項目の一つとして言うように指示された授業もありました。
無意識に人を傷つけることがないようにマイノリティの人に配慮した英語を知っておくべきだと思います。