ブラックフェイスとは? 人種差別に対する意識
カナダでは国政選挙が今年の10月にあります。
先週から選挙戦が始まり、ニュースでも選挙に関する話題が大きな割合を占めています。
カナダの現首相はそのイケメンフェイスで有名なトルドーさんです。
彼は47歳と、一国の代表としてはとても若く、アンチ差別であることでも人気を集めています。
しかし、そんなトルドーさんですが、ある写真で窮地に立たされています。
それは、トルドーさんがブラックフェイスをしている写真です。
そもそもブラックフェイスとは? なぜタブーなの?
簡単に言うとブラックフェイスとは黒塗りのことです。
非黒人の人が顔を黒く塗って、黒人のように見せかける。
恥ずかしながら、僕はこのブラックフェイスのことを初めて知りました。
しかし、なぜこれがタブーなのか。
メイクだってファウンデーションで肌を真っ白に塗っているじゃないか。
白に塗るのはOKで、黒に塗るのはNG。
なぜなのか、ちょっと不思議に思って調べてみました。
これがタブーとされるのは人種差別が普通にあった時代に、白人が黒塗りをしてそれを差別的に面白がっていたという歴史があるからだそうです。
そのため、肌を黒く塗るという行為を不快に思う黒人が多いのです。
たとえそれが黒人へのリスペクトであっても。
日本でもこれは度々問題になっているそうです。
例えば大みそかの人気番組「ガキ使」でも出演者が黒塗りのパフォーマンスをして、海外の新聞紙などでも報じられました。
おそらく、差別的な意識は全くなかったのだと思います。
ただ、おそらくブラックフェイスの歴史とそれを嫌悪する黒人が多くいることを知っていたなら、黒塗りはしなかったと思います。
ですから、黒塗りをすることは制作者側の無知を晒しているだけになってしまうのではないでしょうか。
さらに、納得したのは次の言葉でした。
「差別というのは被害者が差別だと思ったかどうか。
いじめと同じように、いくら加害者側に悪気がなくても、被害者が傷ついたならそれは差別だ。」
不快な気持ちを持つ黒人の人が一定数以上いる以上、やるべきではないのかなと思うようになりました。
でも日本では賛成派の意見も
ガキ使での騒動でも論争が繰り広げられました。
日本では黒人が奴隷として使われ、肌の色で差別されていたような歴史はほとんどありません。
(というよりもその時代には日本にあまり黒人がいなかっただけという見方もあるでしょうが。)
気にしすぎだという意見も日本には一定数います。
確かに、全ての人が全く傷つかないようなお笑いや広告を考えるのは無理があるかもしれません。
僕自身もどうすればいいのかちょっと分からないです。
ただ、自分がこれまでブラックフェイスのことを知らなかったのを恥じていますし、
人種差別について考えさせてくれているカナダでの日々にも感謝しています。
「知る」ことができたのがよかったです。
日本人が思う以上にブラックフェイスはタブー視される
ここまで話してきてブラックフェイスが欧米でタブーとされているのが分かっていただけたと思います。
しかしここで言っておきたいのは私の想像以上にブラックフェイスが問題視されていることです。
もちろん選挙戦中というのもあると思いますが、トルドーさんのブラックフェイスのニュースはニュースで毎日大きく取り上げられています。
写真自体はかなり前のものにも関わらず、ここまで取り上げられているのは人種差別に対する意識が日本とは全く違うからでしょう。
日本で過ごしていると、「人種差別なんていつの話だよ。そんなことを言っているのは一部の白人だけだろ。」というイメージを持っていましたが、
実際は心のどこかで有色人種を下に見ている白人が一定数いるようです。
僕はホストマザーに人種差別的な政治家、つまりはトランプさんのような政治家がカナダにいるのか聞いてみました。
「いるよ。でもそういう人たちは必死に取り繕ってアンチ人種差別のような顔をして過ごしている。
そういう人たちと話すと、口調とかから有色人種を下に見ていると感じると思うよ。」
トルドーさんのスキャンダルもこの点に重要なポイントがあるのかなと思います。
日本人の僕としてはアンチ人種主義と言っているならアンチ人種主義なのだろうと思いましたが、カナダではその意識が違うのでしょう。
「アンチ人種主義」と口では言っていても差別的な人がいる。
だからトルドーさんの写真を見て、本当は差別主義者なのではないかと恐れる人たちがいるのではないのでしょうか。
ちなみに、ブラックコスプレについて
この問題について調べている間に興味深いことを知りました。
それがブラックコスプレです。
黒人が白人のキャラのコスプレをするときも肌の色をそのままにしてコスプレをする。というものです。
黒い肌であることをプラスにとらえる見方が広がってきているのでしょう。
肌の色を変えなくても、十分コスプレは楽しめる。
とても素敵な考えだと思いました。
肌の色を含めた自分自身の本来の姿に自信を持っている姿はカッコイイと感じました。
まとめ
今回はブラックフェイスについての騒動についての話でした。
日本では人種差別はそれほど大きな問題として認識されてないと思います。
それはある意味平和であり、しかしある意味無知であるのでしょう。
選挙戦がどのように展開されていくのか楽しみです。