カナダの友達が怒った「あの言葉」
先日学校でテストがありました。
日本のように定期テストがあるわけではなく、それぞれの教科の先生の判断でいつテストをやるのか、もしくはテストの代わりにプレジェクトをやるのかなどが決められます。
とは言っても休み前にテストを行ってプレッシャーから解放されたいのは、日本の先生もカナダの先生も同じようで、
冬休み前の1週間には多くのテストがありました。
今回の話はそんな時に友達と話していた時の出来事です。
その日なんと僕は3つのテストを受けなければなりませんでした。
日本では定期テスト期間中、一日3つ以上のテストを受けることは珍しくないでしょう。
しかし、こちらでは一日の授業数は4コマ。
4つの授業中3つのクラスでテストがあったのですから、カナダではとても稀なことだと思います。
僕は友達に言いました。「もうこの教科はギブアップするよ!」
僕としては冗談交じりで言ったつもりでした。
日本にいた時もテスト期間中は「この教科捨てる!」などと友達と言い合っていたのです。
本当にその教科を捨てて全く勉強しないこともあれば、冗談で結局勉強することもありました。
ですから、自分の中でギブアップという言葉はそこまで重大な言葉ではなかったのです。
ただの冗談のようなものでした。
しかし、僕の言葉を聞いた友達は即座に反応しました。
「そんなのだめだよ。なんで諦めるんだい。」
「諦めるのは一番悪いことだ。」
と僕に言いました。
同じような意味の言葉でもそも言葉の意味と重さは、国によって、言語によって違うのだなと感じました。
カナダの教科書事情
カナダでも日本でも行われる最初の授業でのイベントと言えば、教科書の配布!
ですが、実はカナダの教科書は日本とは少し違います。
というのも教科書が新品ではないのです!
カナダの教科書はたいてい在籍学校の先輩方が使ってきたお古です。
運よく教科書を買い替えるタイミングに当たれば新品がもらえますが、かなり稀でしょう。
英語の授業で使う本ももちろんお古でした。
日本では新品の教科書が配られるのが普通ですが、お古の教科書を使う事にはどんなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
メリット
1. 教科書購入費用を抑えられる
もちろん認定教科書は税金によって支給されますが、その税金も無限にあるわけではありません。
特に、カナダの教科書は1冊100ドル以上するものもあります。
教科書を毎年購入する費用を、他の学校設備例えばプロジェクターを買うことに充てる方が生徒のためになると思う人はたくさんいるでしょう。
こちらはカナダの学校設備について書いた記事です。
2. 先輩から受け継ぐ教科書
これはあまり大きな理由にはならないかもしれません。
しかし、代々何人もの生徒が使ってきた教科書を眺めるのは意外に面白いです。
まず裏表紙には今までに使ってきた生徒の名前とその生徒が使用した年が書いてありました。
ちなみに今僕が使っている理科の教科書の中で一番古い年は2008年!
10年以上も使われていると考えると感慨深いです。
デメリット
1. 教科書に書き込めない
これが最も大きな理由でしょう。
自分が使った後も他の人が使うという事は、その教科書を綺麗に使わなくてはいけません。
付箋を貼ることは認められていますが、それ以外の教科書への書き込みは一切認められていません。
もちろん鉛筆での書き込みも厳禁です。
2. 最新版ではない
上述したように、カナダの教科書はとても値段が高いです。
教科書は先生が購入し生徒に配布しますが、毎年新しいものを購入するわけではないので、生徒が最新版の教科書を使用できることはほとんどありません。
さらに先生が新しい教科書を購入するのも、それ自体が稀なので、手続きが大変だそうです。
特に理科の教科書などは、毎年最新情報が変わるので、最新版を使えないというのは大きなデメリットでしょう。
3. 汚い…?
10年間以上使われてきたお古なら、教科書が汚いのは当然の事でしょう。
それを気にしない人なら何の問題もありませんが、人が使ったものを使うことに抵抗がある人も当然いるでしょう。
僕自身も最初は教科書が新品ではないことに驚きましたが、今はもう慣れてしまいました。
まとめ
そもそもカナダでは教科書は補助教材程度なので、使わないことも多いです。
しかしそれに関しては、日本でも授業や学校によっては同じようなものかもしれません。
例えば僕の中学校では一度も数学の認定教科書をつかったことがありませんでした。
そう考えると、ただ義務的に新しい教科書を配布するのは無駄なようにも思えます。
それぞれにメリットとデメリットがありますが、カナダに来るまでは教科書を使いまわすなどという考えは全く持っていませんでした。
留学生活が日々自分の視野を広げてくれているようなきがします。
【海外で使われる日本語】あのブランドが海外で人気⁉
海外で日本語を見かけたときほど嬉しいことはありません。
Sushiという言葉がすっかり英語に定着しているのは周知の事実ですが、意外な日本語が英語に使われていることもあります。
例えば、OrigamiやIkemanaなどという単語を何かの拍子に見かけると、びっくりして二度見!
それだけではありません。
先日、学校でふと友達の筆記用具を見るとそこには日本語が!
「消しゴム」「シャープペンシル」などと筆記用具に書いてあるのです。
これにはビックリ!
もしかして日本人かなと思って話しかけてみるとどうやらそうではないみたいです。
ではどこでこれらの筆記用具を手に入れたのか?
ずばりそれは無印良品!
なんと海外でも無印良品は人気のブランドなのです。
海外ではMUJIというブランド名で活躍しています。
おそらく、「飾りは最小限に」というコンセプトと海外の環境に配慮する意識がマッチしたのではないでしょうか。
なんにせよ、日本の企業が海外でも活躍しているのはとても嬉しいです。
日本では当たり前に日本語に囲まれていましたが、海外で日本語を見ると無性に嬉しくなります。
【カナダ人が戦争と向き合う日】Remembrance Day
11月11日はRemembrance Dayでした。
Remembranceとはrememberの派生語で、追悼などの意味があります。
つまり、Remembrance Dayは戦争やその犠牲者について学び、思いをはせる日なのです。
戦争の歴史は日本の歴史の中で最も重要な部分だと思っています。
カナダの人々がどのように戦争をとらえているのか、Remembrance Dayを通じて感じたことをお話ししたいと思います。
戦争とは第二次世界大戦だけではない
当然のことだとは思いますが、海外に来るとこのことを痛感します。
というのも、日本で「戦争を忘れないようにしよう」と言うときの戦争とはほとんどの場合第二次世界大戦を指すと思います。
しかし、Remembrance Dayにおいて戦争と言うときは、
第一次世界大戦、第二次世界大戦さらに朝鮮戦争やアフガニスタン戦争も含まれます。
日本に来た外国人が驚くこととして、「戦後○○年」という言葉があげられることがあります。
曰く、第二次世界大戦の後も世界では戦争が起こっているのに、第二次世界大戦が最後の戦争だったかのように言うことに驚くようです。
それは日本人が海外の事情に疎いということの裏返しであるとともに、日本がこの74年間戦争をすることなく平和な国を築いてきたことを表しているのでしょう。
Remembrance Dayのスローガン
Remembrance Dayが近づくと、街でこの言葉をよく見かけます。
“Lest We Forget”
日本語に訳すと、「忘れないように」という感じでしょうか。
バスの表示板にもこのスローガンが掲げられ、普通に過ごしていてもこの言葉を意識しない日はないほどでした。
ポピーとRemembrance Day
Remembrance Dayが近づくと、“Lest We Forget”の言葉とともにある赤い花が目に付くようになると思います。
政治家をはじめ、テレビに出る人のほとんどがこの花のレプリカを左胸につけています。
その花こそがRemembrance Dayのシンボルのポピーなのです。
僕は学校でこのポピーのバッチをもらいました。
Remembrance Dayの学校の集会ではほとんどの生徒がポピーを胸につけて参加していました。
学校の集会では
Remembrance Dayの日は祝日で学校はお休みなのですが、その前の金曜日に学校で集会が開かれました。
その日の学校には、カナダ軍から4人ほど人が来てくださいました。
制服姿で集会の間ずっと、カナダ国旗とバンクーバー属するブリティッシュコロンビア州の旗を掲げていました。
集会の主な内容は戦争に関係する歌などを聞くことでした。
しかしその間で、僕が所属する学校と戦争についての話があり、それがとても印象的でした。
実は僕の学校の卒業生の中に、ジャーナリストになり戦争で亡くなった方がいらっしゃるそうなのです。
その方の功績について、先生からの話がありました。
その卒業生の方が亡くなられたのは2000年代の事だそうです。
私も心のどこかで、戦争を『昔のもの』として感じ、自分には関係のないものと考えていたのかもしれません。
しかし、この卒業生の方の事を知り、胸に迫るものがありました。
私が一番驚いたこと
当日は様々なニュース番組で特番が組まれていて、様々な人が戦争について話していました。
その中で、子供からこんな質問が出ました。
「僕はこのRemembrance Dayに誇らしく思うべきなのでしょうか。それとも悲しく思うべきなのでしょうか。」
ほとんどの大人の答えは「誇らしく思うべき」というものでした。
日本で戦争の話をしたときに、誇らしく思うという発想はなかなか出てこないものだと思います。
その国がどのような歴史を歩んできたかによって、『戦争』という言葉の意味が大きく変わるのだなと感じました。
この設備は日本にはない! カナダの学校設備
前回の記事でお話ししましたが、カナダの体育の授業には日本の体育の授業にないものがたくさんあります。
その中で、最も驚いたのはフィットネスルーム。
学校の中に本当のジムのようなフィットネスルームがあるのです。
様々な種類のトレーニングマシンがあり、本当のジムにも見劣りしないようなものがそろっています。
先生が他の仕事で忙しい時や、逆に先生が休みたい時などに、体育の授業がフィットネスルームでの運動になります。
2か月半の学校生活の中で、3回ほどフィットネスルームでの運動をしました。
自由なカナダにふさわしく、どのトレーニングマシンで運動をするのかの指示は全く与えられません。
生徒は自由に好きなものを選んで運動をすることができます。
全体的に、生徒のためになる設備にお金をかけることは厭わないような雰囲気があると思います。
例えば、全ての教室にはプロジェクターがついています。
ホワイトボードはその授業の中だけではなく、長い間残しておく情報を書くときに使われるのみで、授業の中で使われることはほとんどありません。
パワーポイントで作ったスライドを使って授業をする先生もいれば、
手元の紙に情報を書いていき、それをプロジェクターで映す先生もいます。
さらにパソコンの数も、数えきれないほどあります。
日本ではパソコンルームは学校につき1つしかないのが普通だと思いますが、こちらの学校には少なくとも4部屋のパソコンルームがあります。
私が通っている高校は普通の公立高校です。
それにも関わらず、学校の設備には大きな差があります。
日本政府は教育費を他の先進国に比べて、ケチりすぎだとよく言われますが、それを実感したような気がします。
【運動嫌いの僕が好きになった】カナダの体育の授業
僕は運動が苦手なので、日本にいた時体育は一番嫌いな教科のうちの一つでした。
しかし、今カナダに来て、毎日体育の授業を楽しみにしている自分がいます。
実はカナダと日本の学校の体育の授業はその目的から根本的に違うのです。
体育の目的は?
体育の目的を聞かれて、日本人が考えるのはどのようなことでしょうか。
身体能力の向上? それともチームプレーを通したコミュニケーション能力の向上?
僕はこれくらいしか考えられませんでした。
カナダの高校での体育の目的ははっきりしています。
たくさんの種類のスポーツを生徒に紹介する。
ずばり、これに尽きるでしょう。
実際カナダの体育の授業では様々な種類のスポーツを行います。
それはポピュラーなものからマイナーなものまで様々です。
僕はこれまで約2か月半の間、カナダの学校に通い、体育の授業を受けてきました。
今までに授業で取り扱ったスポーツは3種類。
サッカー
アーチェリー
かなり驚きの取り合わせだと思います。
サッカーはポピュラーですが、日本で今、ラクロスとアーチェリーを体育の授業で行う学校があるでしょうか。
これこそがカナダの体育の目的を分かりやすく表しています。
色々なスポーツに触れてもらい、心の底から楽しめるようなスポーツを見つけてもらう。
それこそが体育の授業だけで終わる運動ではなく、将来にわたる運動習慣を身に着けることにつながる。
実際に、僕の友達はこう言っていました。
「去年、学校の授業で初めてアーチェリーをやって、すごい楽しく感じた。
それから学校外アーチェリークラブに入っているんだ。」
僕もメジャーなスポーツだけを基礎の練習からコツコツと行う日本の体育の授業はあまり好きではありませんでした。
しかし、カナダの体育の授業は色々なスポーツに触れてもらうために、あまり基礎練習は行いません。
基礎練習よりも実際に試合をして、楽しんでもらうことが目的だからです。
こんなに運動嫌いの僕が体育の授業を好きになる日が来るとは思っていませんでした。
日本人がポケットに必ず入れている○○ カナダ人は持ってません!
カナダで生活していて驚いたことはカナダ人がハンカチを持っていないこと!
トイレや美術室の洗い場などには必ず、ペーパータオルと呼ばれる使い捨てのティッシュのようなものが置いてあります。
ハンカチやティッシュを持ち歩くという習慣はないようで、何をポケットに入れているのか不思議がられたこともあります。
「綺麗なハンカチとティッシュを持ち歩きなさい」なんて、日本では幼稚園で習うようなことだと思うので、カナダ人が持ち歩いていないのを知ったときは驚きました。
とは言っても、ポケットティッシュやハンカチというもの自体がない訳ではなく、海外でもお店などで入手可能なので安心してください。
日本ではポケットティッシュが宣伝用に無料で配布されていたりするのが、日本人のティッシュとハンカチの所持率の高さにつながっているのでしょうか。
前にこの記事で書いたように、全体的にカナダは環境についての意識が高いと思います。
しかし、このペーパータオルの仕組みについては疑問を感じざるを得ません。
もちろんペーパータオルはリサイクルされているようですが、リサイクルする過程で全く環境を汚さないとは言えないと思います。
環境に配慮した暮らしがしたいのなら、まずハンカチを持ち歩く習慣をつけたほうが早いのではないでしょうか。
もちろん、こう思うのは僕が日本人で小さいころからハンカチを持ち歩くように言われてきたからだと思います。
今までペーパータオルを使ってきた大人が、いきなりハンカチを持ち歩くのを習慣にしようと思ってもなかなか難しいでしょう。
外国の生活を体験すると母国での生活と様々な異なる様々な点が見つかります。
それらは日本が見習うべきだと思うものもあれば、
逆に「なんでこんな無駄な事をしているんだろう」と滑稽に感じられるものもあります。
あれだけ環境に対する意識が高いのに、(詳しくは下の記事を見てください)
毎日多くのペーパータオルつまり紙という資源をリサイクルしなくてはいけないという無駄がある。
その様子は僕にとっては滑稽でした。